店内に焙煎所を併設したコーヒー専門店「Chord Coffee (コードコーヒー)」は、2019年のオープン以来、モーニングからランチ、カフェまで幅広い用途で、幅広い年代の人に愛されているカフェです。コーヒーやラテアートだけにとどまらない、一度訪れたらハマってしまう、そんな魅力満載のカフェの秘密に迫ります。
・香り高い広々空間「Chord Coffee(コードコーヒー)」
高松市を南北に走るサン・フラワー通りとレインボーロードのちょうど中ほどに位置する「Chord Coffee(コードコーヒー)」。焙煎所である「山東珈琲」とカフェの「Chord Coffee」、両方の名前が書かれた大きな看板が目印です。入り口前に5台分の駐車スペースがあり、にぎやかな大通りから少し外れた、公園や住宅街の広がる閑静なエリアなので、車も出入りしやすいのがうれしいところ。
バンブーをあしらったカウンターに、ラタンのテーブルといす、えんじ色のガーデンパラソルに観葉植物。バリやタイのようなアジアのビーチを思わせる南国仕様の店内に、香ばしいコーヒーの香りが漂います。
驚くべきは、なんといっても客席間隔の広さです。テーブル数は8卓、座席数25席。隣のテーブルの話し声を気にせず、カフェタイムを心静かに楽しむには十分過ぎるソーシャルディスタンスが設けられています。
注文方法はレジでの前払い式。カウンターにあるお冷と食事後の食器の返却はセルフ方式です。食事やドリンクは、テーブルまで運んでくれるので、注文を終えたら席に着いてのんびりカフェタイムをスタートさせましょう。
・大会王者のマスターが描くラテアートの世界
店主の薮内さんは、コーヒー飲料メーカーが主催するラテアートコンテスト“COFFEE MASTERS中四国大会”で、優勝経験があるラテアートのチャンピオンです。凄腕店主が作るラテを、気軽にいただけちゃうのが同店の醍醐味の一つ。不定期でラテアートの講習会なども開催しているので、「自分でもやってみたい!」という人は、飲むだけでなく、ラテアートの世界に一歩踏み出してみては。
絵柄はバラエティー豊富で、季節やその日の天候、お客さんの雰囲気に合わせて描き分けています。動物のイラストやメッセージ入りのラテに出合えることも。どんな絵柄のラテが運ばれてくるのか、ワクワク感が高まります。「お客さんがどんな反応をするか、見るのが好きなんです」と語る店主。女性だけでなく、子どもから年配の男性まで、幅広い世代を笑顔にしてくれるラテを通して、心を通わせているような感覚にさせてくれます。
『カフェラテ』480円
店主のもてなしの心が描かれた『カフェラテ』は、かわいらしくて飲むがもったいないと感じてしまいますが、コーヒー専門店が作るからこそぜひ飲んでほしいこだわりも満載。ラテには浅煎り豆で抽出したコーヒーを使用するお店が多い昨今、深煎り豆を使うことで、フォームミルクのやわらかさの中に深く香ばしいコーヒーの香りと存在感を感じられる一杯に。かわいらしい絵柄を写真に収めた後は、店主自慢のラテをじっくり味わって。アートを施すことができるドリンクは「カフェラテ」のほかに「抹茶ラテ」や「フラットホワイト」など7種類ほどあります、店主に気軽に尋ねてみて。
『フラットホワイト』 500円
オーストラリア発祥の『フラットホワイト』は、カフェラテのこんもりした泡はなく、表層のフォームミルクが平らな形状です。ラテより少量の泡で作られているため、カフェオレとカフェラテの中間に位置するドリンク。シルクのような口当たりが特徴で、こちらもアートを施すことが可能です。
・種類豊富なトーストモーニングは朝8時から
『チーズペッパートーストセット』800円
出勤前にサクッと腹ごしらえしたい日にも、カフェでのんびり過ごしたい休日の朝にもうれしい8:00オープン。近所の人や常連が続々とモーニングを目当てに来店します。『チーズペッパートーストセット』は、湯種食パンにマーガリンを薄く塗り、たっぷりのせられたチーズにはアクセントの黒コショウを少々。表面のチーズをバーナーで炙(あぶ)ることで香ばしさととろ〜り感をプラスしていて、食パンのモチモチ食感と相まってやみつきになること間違いなし。セットには、ゆで卵・サラダ・ドリンク、そしてデザートのコーヒーゼリー付き。キャラメルエスプレッソのソースと絡めて食べる特製コーヒーゼリーは必食ですよ。
セットのほか単品の注文もできるトーストメニューは全7種類。一番人気は、王道のシンプルなトーストです。もちもちの湯種食パンと付け合わせのマーガリンやジャムで、コーヒーと一緒に、軽めの朝食として利用する人が多いそう。「ハムサラダ」や「トマトエッグ」のような定番のほかに目を引くユニークな組み合わせにも注目。「海苔(のり)トースト」は店主のお父さんが作っていた家庭の味を再現したもので、マーガリンを塗ったトーストの上に“味付け海苔”がオン。焼き海苔では出せないコクのある磯の風味をご賞味あれ。まかないとして作ったメニューが定番に昇格した「オニオンキムチサンド」は、スライスした生タマネギをキムチの素で和えたものをトッピング。タマネギの爽やかな辛みとキムチの刺激が絶妙で、悶絶間違いなし。身近な食材ですが、意外とおうちでは作らない“目からウロコ”なメニューにトリコになる人続出です。
・ごはんランチ&カフェスイーツで満腹メシタイム
『エスプレッソカレー』800円
11:00〜15:00の時間帯には、ご飯系のランチが登場します。コーヒー専門店ということで、ぜひ食べてみてほしいのが『エスプレッソカレー』。その名の通り、隠し(?)味にエスプレッソを使用し、コーヒーのほのかな香りとコクをプラスしたキーマカレーです。ひき肉のうま味とトマトの酸味が効いた、まろやかで刺激の少ないカレーは、辛さが苦手な子どもや年配の人にもオススメです。+200円でサラダとドリンクが付いたセットに。また、ご飯の上に、山盛りの千切り生野菜と豚しゃぶやチキンのクリーム煮など週替わりのメイン食材がのった『サラダライス』も同店の人気メニューです。内容はInstagramをチェックして。
『コーヒーゼリーアフォガート』650円
食後に、カフェタイムに、ボリューム満点のアイスデザートはいかが?『コーヒーゼリーアフォガート』は、オリジナルの特製コーヒーゼリーをさらに堪能できる一品です。コーンフレークのクッションの上に3スクープ分というたっぷりのミルクジェラート。小さなビーカーグラスに入ったエスプレッソを流しかけて、溶けかけたジェラートとコーヒーゼリー、そしてエスプレッソソースが奏でる魅惑のハーモニーを体感してみませんか。
・コーヒー専門店の楽しみは続々
レジ横のカウンターに、ひときわ目を引く重厚なエスプレッソマシン。シンプルなコーヒーやカフェラテを飲んだ後は、本場イタリア流の本格エスプレッソをぜひ。
『エスプレッソ』300円
“寿命が10秒”ともいわれ、おいしく味わえる時間が非常に短いことで知られる『エスプレッソ』ですが、苦いのを無理して流し入れるのではなく、スティックシュガーを2本ほど入れ、甘くして飲むのが本場イタリア流。10秒とはいわないまでも、2〜3口でエスプレッソを飲み干した後は、ゆっくりと会話などを楽しみながら、カップの底に残ったカラメル状の砂糖をスプーンですくいとって、デザート代わりに食べるのがツウだそう。
入り口正面にはコーヒー豆や焼き菓子、コーヒー関連の調理道具の販売コーナーがあります。カフェで試したお気に入りの味を家庭でも味わうことができるのはうれしいですね。
焙煎所が併設されているコーヒー専門店で、ラテアートのチャンピオンがいる店であることはもちろん、店主・薮内さんの温かいおもてなしの心が随所に感じられ、何度も通いたくなる気持ちにさせてくれる「Chord Coffee (コードコーヒー)」。身近にいつまでもあってほしい癒やし系のカフェです。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年3月13日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。