【坂出】ところてんの「清水屋(きよみずや)」で和情緒に浸る風雅な時間♪食欲の秋でも罪悪感ゼロ!
グルメ
四国霊場第79番札所・天皇寺から徒歩5分。香川でところてんといえば「清水屋(きよみずや)」。創業約260年、風味豊かな春摘みの国産天草を100%使用し、手間を惜しまない伝統製法で作り出す一杯は清涼感満点。食べ方も酢醤油(すじょうゆ)と黒みつにとどまらず、「讃岐ぶっかけ」や「胡麻(ごま)だれ」など多彩なバリエーションがあります。
どんな味?長く愛され続ける理由は?OHKが誇るフードファイター、藤本紅美アナウンサーがお店を直撃。夏のイメージが強いところてんですが、食物繊維が豊富でそれ自体はカロリーゼロと聞けば、食欲の秋にこそ心強いおやつ。お店で食べ納めできるのは11月末までなので、お早めに。
目次 江戸時代から人々を癒やす休憩所、ところてんの「清水屋(きよみずや)」
JR八十場(やそば)駅から徒歩約7分、車1台分ほどの細い道を突き当たりまで進むと、全国でも珍しいところてん専門店「清水屋(きよみずや)」があります。 とうとうと流れる湧き水の音と緑の木々に囲まれた空間が心地よく、プチ森林浴に来た気分に。赤い和傘や縁台が置かれ、茶屋の風情たっぷり。すぐそばに四国霊場第79番札所・天皇寺があり、江戸時代からお遍路さんの休憩所として、現代もうどん巡礼の箸休めスポットや地域の人の避暑地として愛されています。
庭の湧泉は、この地の伝説に残る「八十八(やそば)の清水」。およそ1900年もの昔、悪魚の毒にあてられた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)と八十八人の兵士が、この水を飲んで蘇生したことから「八十八の清水」と呼ばれるようになったといわれています(「八十八」は「八十蘇場」「弥蘇場」などとも表記)。現在は悪魚ではなく美しいコイが泳いでいて、ほっこりしますよ。
今も庭の一角から絶え間なく湧き出る水。この清水と瀬戸内海の恵みがそろっていたから、江戸時代に全国で盛んになったところてん作りが自然に始まったというのも納得ですね。 この霊水にあやかろうと、今でもここで手を洗う人の姿もたくさん。一年中ひんやり冷たいので、触ってみては。
春摘みの国産天草100%!伝統の技が生み出すヘルシーフード
創業約260年、香川でところてんといえばまず名前が挙がる「清水屋」。江戸時代から愛され続ける魅力に迫るべく、現8代目店主・筒井雄一郎さんにお話を伺いました。
こんなに長く愛されている理由はどこにあるとお考えですか?
そうですねぇ。多分、この場所が大きいと思います。空間自体の佇まいもそうですが、“伝説の水”と“国産天草(テングサ)”という原料の条件に恵まれたことかなと。
和の情趣が漂っていて、とっても雰囲気がいいですもんね!いるだけでリフレッシュできそうです。
ところで、原料によるできあがりの違いって大きいんですか?製造において大切にされていることも知りたいです。
やはり素材の良さはおいしさに直結します。ところてんは海藻の天草を煮溶かして作るんですが、うちは国産天草100%、しかも高級品とされる伊豆半島や四国産、その中でも上質な粘りと豊かな風味が特徴の春摘み一番草だけを使用しています。
それを今でも機械の力に頼らず、手作業で真水に浸けては天日干しを繰り返し、グツグツ炊いて煮汁を絞って固めて…と、丁寧に丁寧に作るので、プルンとのど越しが良く、風味を感じられるはず。
えーっ!そんなに手間暇がかかってるんですか!
素材がシンプルだからこそ、原料の質と妥協しない工程で仕上がりに差がつくんですね。
今は工業生産された粉寒天からところてんを作るのが主流になっていますが、天日干しをする伝統的な製法の糸寒天には、粉寒天よりうま味成分や栄養価が多いというデータも。
といっても、ところてん自体のカロリーはゼロな上、食物繊維が豊富です。夏の疲れが出てくる季節、体に優しく軽やかなところてんで、胃腸を整えてみてはいかがでしょう。
2回目ですが(笑)、えーっ!ところてんってカロリーゼロ!?
味付け分だけの低カロリーで済む上にヘルシーだなんて、最強ですね!食欲がとどまるところを知らない秋のおやつにぴったりです♪
そうでしょう(笑)。
夏の風物詩というイメージも強いですが、私は毎日昼ご飯の前に食べていて、個人的には快腸です。では、お待ちかねの実食といきましょう!
注文ごとに突きたて♪その日の気分で好みの味付けをチョイス
注文が入ってから1人前ずつ突き出してくれるんですね!この気遣いはうれしいです♪
『八十八名物ところてん』小300円・大570円「清水屋」の代名詞ともいえる定番のところてんは、スタンダードな辛子酢醤油(からしすじょうゆ)味。適度な歯応えと、つるんとした滑らかなのど越しを楽しめます。
『讃岐ぶっかけところてん』小360円・大690円さすが香川、讃岐うどんスピリットはところてんにまで!生姜(ショウガ)だし醤油味のタレを、さながら“ぶっかけだし”のように回しかけて、トッピングのかつお節を混ぜて味わって。これが意外にも相性抜群です。
『ゆずポン酢味ところてん』340円2024年初夏、3年ぶりに加わった新しい味。爽やかなゆずの香りが食欲をそそり、ポン酢の塩分が暑い季節には熱中症対策にも一役買ってくれます。
『柚子蜜(ゆずみつ)ところてん』小340円・大650円デザート感覚でいただける『柚子蜜ところてん』は、蜜に混ざってユズの黄色い皮のかけらが散りばめられ、黄金の透明感が目にも美しい逸品。
『葛餅(くずもち)風ところてん』小380円・大730円こちらもデザート感覚のところてん。「きな粉と黒みつ味」または「きな粉と抹茶みつ味」を選べます。四角くカットされているから、寒天らしい食感が味わえて新鮮。
『しあわせアイスあんみつ』800円こちらも2024年夏の新商品。宇治抹茶を練り込んだところてんを四角に切り、白玉、あんこ、ホイップクリームに幸せを呼ぶ香川伝統の縁起菓子「おいり」をトッピングし、さらに抹茶アイスをイン。アイスなしの『しあわせあんみつ』は600円、さらにホイップクリームとおいりなしの『抹茶あんみつ』は500円。
私、こんなにいろんなところてんを一度に食べたの初めてです!でも罪悪感がなくて、感動しています。
ダイエットされている方にもおすすめですね。個人的には『讃岐ぶっかけところてん』が一番好きでした♪
ありがとうございます。ほかに『胡麻だれところてん』や砂糖酢醤油で味わう『尾張(おわり)風ところてん』、黒みつ味の『浪速(なにわ)風ところてん』(いずれも小340円・大650円)もありますのでぜひ。
老舗として伝統製法を守りながら、新しいメニュー作りも工夫されているんですね。
バリエーションが多いからその時の気分に合わせて選べるし、“飽きない”という点も、長く愛される魅力の一つだと実感できました。
人にあげたくなっても、売店があるからご安心
「この感動を持って帰れたらいいのに…」と思ったあなた、ハイ、茶屋に隣接する直営の売店で買って帰れます。もともと香川県内のスーパーなどでも入手できる清水屋のところてんですが、こちらなら全種類そろう上、品切れもなくて安心。ギフトBOXに詰めて発送もお願いできますよ。
「え~、どうしよう、本当に迷っちゃう」と藤本アナ。あの人にはこの味、あの人にはこの商品…と、悩む時間も楽しいですよね。
「これを買うことに決めました」とニッコリ。この後、自分用にもお土産にもとどんどん増えていったことは内緒にしておきます(笑)。
お店へ向かう道は少し狭いところがあるけれど、広い駐車場も整備されていてアクセスしやすいところてん専門店「清水屋」。商品を購入して家庭で味わう場合は、サラダに混ぜたり果物と合わせたり、おかずにもデザートにもアレンジ自在。食欲の秋を存分に満喫しながら、また来年の春摘み一番天草が届くのを楽しみに待ちましょう。